親愛なるあなたへ
豊かな生活をしていると、いつも当たり前にあるもの・ことへの感謝が薄らいでしまいます。
人間は豊かな状態で魂を放っておくと、必ず怠惰になる生き物ですから、「感謝」も常に心がけていなければ、次第に心から離れていってしまいます。
僕は、極貧生活を学んでいるので、感謝の心により磨きをかけることができるようになりましたが、まだ見ぬ感謝すべきことがたくさんあるのだろうな、と思います。
普通に生活ができているからです。
以前テレビで見た男性登山家へのインタビューで、驚くべき事実を知りました。
「最高峰の雪山登山で一つだけ欲しいものがあるとすれば何か」という質問でした。
答えは「女性のうなじの匂いがする匂い缶」。
家族の写真とか、お守りではありません。
最高峰の雪山山頂には、生き物がいません。
生物の匂いがしなくなるのです。
僕たちは普段感じませんが、人間というのは、生き物の匂いに常に包まれているのです。
その生き物の匂いがなくなると、匂いに飢える、という症状が起きるのです。
匂いに飢えると、正しい判断ができなくなるといいます。
気が狂い、死を受け入れてしまう心理状態になってしまうのだそうです。
女性のうなじの匂いをかぐと、「帰っておいで」と体をそっと連れ戻してくれるように感じて理性を保てる、とその方はおっしゃっていました。
世の中には、自分が想像もつかないものから守られていることがたくさんあります。
僕を守ってくださる、ありとあらゆる生き物の匂いに、感謝します。
by You