考える力を持って感性を磨こう。

親愛なるあなたへ

考える力と感じる力の話を何度もしてきました。

考えることの究極系が感じることだと書きました。

こう書くと、考えることが感じることより劣っているように見えますけれども、そうではありません。

感じるというのはものすごい力ですけれども、感じるだけではダメなのです。

感性だけでは流されてしまいます。

考えずに感性だけに頼ると巻き込まれてしまいます。

真っ白な新入社員があっという間に巻き込まれるのを見ると、そのすごさが分かります。

考えると感じるでは、役割が違うのです。

考えるとは「ちょっと待てよ」と立ち止まるということです。

感じる力で流れに乗っていく中で、行先を確認する作業なのです。

船で言えば錨のような役割です。

錨がなければ潮の流れのまま流されてしまいます。

自分はどこに向かっているのかを確認するために、「ちょっと待てよ」と錨を下ろすのが考えるということです。

考え過ぎると錨を下ろしっぱなしにしてしまうから前へ進めません。

進めないのですけれども、必要な時期もあるのです。

僕は錨を下ろしっぱなしにしてきました。

周りの船が追い越していく中で、これは本当に正しいのだろうかと考えていました。

周りがスイスイ進んでいくのに、自分はずっとその場にいるから当然不安になります。

一団が去った後には真っ暗な海に取り残されます。

それでもずっと水面を眺め、波を目で追い、水平線を見つめていました。

すると、潮の流れが見えるようになってきました。

こう進んでいくとここに着くなというのが分かるようになります。

もちろん海のど真ん中ですから陸地など見えません。

見えないのですけれども、方向だけは分かるのです。

大航海時代の人はきっとこんな思いだったんだろうなと、勝手に妄想も膨らみます。

僕は錨を上げて出発しました。

今までと違う流れを探し始めたのです。

立ち止まってしまっているのは、あなたがダメな人間だからではありません。

潮の流れを見極めていたのです。

後は錨を上げる勇気だけです。

周りがまとまって流れていくとき、勇気を持ってもう一つの流れに乗り換える勇気を持つ人だけが、夢を叶えるのです。

さあ、錨を上げて、出発しましょう。

by You