みんな必死に生きているんです。

親愛なるあなたへ

日本はものすごく恵まれている国です。

恵まれてる国なんですけど、ほとんどの人が目を向けないところもある。

僕は今大阪に住んでいます。

大阪市西成区に昔からの日雇い労働者が集まる地域があります。

「あいりん地区」の名前で知られる萩之茶屋・太子を中心とした500m四方の地域です。

誤解を恐れずに言うと、一般の人がほとんど近づかない地域です。

日本で最も治安が悪い地区の一つとされ、衛生面も芳しくない。

暴力団の事務所もたくさんあるのだとか。

そういう地域が今でもあるんです。

先日、そこへ足を運んだんですね。

どうして行こうと思ったのか分からないんです。

何故か体が向かった。

呼ばれたっていうのかな。

自転車だったからかもしれない。

歩きだったら怖くておそらく無理だったろう。

もちろん太陽がさんさんと出ている時間を狙って。

あいりん地区は想像を超えていました。

僕は日本の中でああいう景色を見たことがなかったんですね。

ショックでした。

言葉では上手く説明できません。

ホームレスの人々が生計を立てていると言えばどこにでもある風景のように思うかもしれません。

でも実際はそうじゃないんですね。

これは行ってみないと分からないかな。

昔中国に観光に行ったことがあって、そのときの貧富の落差にも似たショックです。

中国では五つ星ホテルで泊まってる人がいるかと思うと、少し離れたところに石と木でつくられた簡易住居に住んでる人々もいる。

日本にもそういう景色があるという衝撃です。

でも実はもっとショックだったことがあるんです。

どちらかというとこっちの方が衝撃的。

どういうことかというと、はじめて景色を見たとき確かに息を飲んだんです。

でも、自転車で散歩すると何故か違和感を感じない。

そこにいるのが嫌じゃないんですよ。

もちろん住むかって言われたら僕はNOって言うんですよ。

でも、汚らしいとか、いわゆるそういう感覚がしないんです。

それでここからまた変な話になるんですけど、波動的に嫌じゃないんです。

そういうところの波動って絶対に嫌悪感を感じるという偏見がありました。

それが何故か心地いい。

新鮮でした。

間違いなくお昼だからなんですよ。

それでもこれはいったいどういうことなんだろう。

何故そう感じるんだろう。

ずっとそんなことを考えながら30分くらい地区内をフラフラしてたんですね。

それで気づいたんです。

これはエネルギーだ。

生命エネルギー。

生き抜いていくための力。

人の最も高尚なエネルギーは生きていく力なんだ。

もちろん治安は悪いし犯罪も多発すると思うんですよ。

イジメなんかもあると思うんです。

それでもみんな必死に生きているんです。

僕は波動を何となく感じるから暗い人はすぐに分かるんです。

こっちのエネルギーを吸い取られるようなカンジになる。

自分の気が下がっているときは特に。

それをあそこでは感じなかった。

「生きてやる」っていう気迫に満ちているんです。

僕は極貧生活をやったから分かるようになったんだ、きっと。

だから愚痴言ったりなんだりで運を下げてるのは論外なんです。

命って、強くて美しい。

愚痴ばかり言ってる人がホームレスがどうだって言うのは、命を語る資格なんてありません。

命って、本当に、美しい。

by You