親愛なるあなたへ
怖いものは怖い。
嫌なものは嫌だ。
でもそれは思い込みかもしれません。
題名は斎藤一人さんの言葉の引用で、いろんなことが怖くなくなる魔法の法則である。
引き合いに出されたのは、台所を寝床に持つ通称「G」なのですけど、どうしてGがあんなに恐れられているか、ということなのです。
名前を出すことすらはばかられる存在感が神々しい。
カサカサしてるとみんな「ギャーっ」って言いますけど、よくよく考えるとただの虫です。
色やツヤもコオロギと大して変わらないではないか。
どうしてコオロギが秋の風物詩として名高いのに、ゴキさんだけが人類の敵のような扱われ方をするのか。
そもそも汚い種族ではないらしい。
蚊やハエの方がずっと不衛生で病原菌のカタマリみたいなものです。
それに逃げるばかりで噛みついてくるわけでもない。
それでも敵対視されてしまうのは、我々が小さいころから台所で黒いものを見たら親や家族が「ギャーっ」と言い続けると、何かとんでもないものだと脳にインプットされてしまうのです。
ところが、何も言わずに新聞紙でポンと引っぱたいてる親を見てる子供は「ただの虫が出た」と思うだけで怖がることもない。
僕もギャーの被洗脳者だったのですけど、飲食店で働いていたときに彼らと何気なく接している人々に囲まれてると意外に慣れてくるものです。
隙間に等間隔でキッチリ整列してるのなんか見ると、その文化精神の高さに感服してしまう、のかどうか分かりませんけど。
この前、職場に大臣クラスが現れてティッシュでつまんで外にポイしましたけど、慣れるとそんなもんです。
いきなり出たらビックリするしいい気はしないですけど、苦手意識ってそんなものですよ。
何かが嫌だなと思ったら、いったい誰がギャーと言っていたのかを考える。
そしてギャーと言わない人と一緒にいる。
それだけで苦手意識なんてコロっと変わってしまうものですね。
by You