親愛なるあなたへ
今ここに、絶対に上着を脱ごうとしない旅人がいます。
なんとか上着をとって心を開いてほしい。
そう願っています。
北風は一生懸命その人の服を吹き飛ばそうとします。
ところが、北風が強く吹きつければ吹きつけるほど旅人はさらに上着に首をうずめます。
困り果てた北風はお日様に相談しました。
するとお日様は何をするでもなく、ただ旅人に向かってニコニコ笑っているだけです。
ポカポカ暖かくなった旅人は何と自分から服を脱ぎ、お日様に向かって幸せそうな顔をしています。
きっと人間の心もこれと同じなのかもしれません。
弱い優しさでは負けてしまうけど、自分のエネルギーが満ちたとき、自分の幸せが溢れだすとき、穏やかな笑顔だけで相手が変わる。
ふざけてたいし、立派な人間には興味がないし、自由が一番素晴らしいけど、ときどきこういう人でいられたらなぁと、そんなことを考えるときがあります。
by You