分かっていないふり。

親愛なるあなたへ

塾の先生をやってて面白いなぁと思うのは、学生さんとは実に正直な存在で、私たち大人が社会で活用できることをたくさん気づかせてくれるのですね。

塾の先生は知識と経験があってのことですから、まずは「すごい人だ」と思ってもらわないといけない。

初めてだろうが何だろうが、先生らしく振る舞わなければいけない、ということも一つあります。

「見栄」も大切なのだと、それが一点。

ところがこれを続けてるといつかはバレるときが来るわけで、実力も伴っていなければなりません。

当然努力もする。

さらに見栄と同時に「誠実さ」も一つあり、社会に出たことがないので偏見がありませんから、社会人としての「建前」を学生さんは見抜いてしまうのです。

そこで、なのですけれども、知識を披露して「この先生頼れる」と思ってもらうのも一つ。

そして、本当は知っているけれど「知らないふり」をして相手に花をもたせるのも一つだと思うのですね。

「先生らしくしなければ」と知ってる知識を全部披露してしまう「建前」も何かがおかしいと見抜いてしまう。

だから生徒さんから学ぶことだと私は思うのです。

本当に知らないこともあるし、知ってても知らないふりをすることもある。

何にも知らないで全部学ぼうとすると立場が逆転してしまいますから生徒さんから信頼は得られないのですけれども、一番肝心なことを知っている人が、そうかそうかぁ、とウンウン頷いてるのを見て「この人は先生だ」と思うのではないですかね。

by You