親愛なるあなたへ
欲望や野心がなぜ批難されるかというと、「何かを得ようとしている姿が人間として未熟である」という道徳心からだと思うのです。
ところがですね、世間のこの認識とうって変って、欲望や野心というものには実は独立心がある。
多くの人は自分の依存心に気づいていませんが、野心家は人間の依存心というものに早くから気づいている。
自分では欲しいとは言わないけれども、何かを得ようとする「巧妙に隠された」人間のこの依存心の存在に早くから気づいている。
これを払拭することがすなわち自由ということなのですが、その行動エネルギーとして欲望や野心を「利用」しているわけですね。
依存心を払拭したければ、理論的に考えてみてもまずは欲と野心を持つことです。
それを批難する人にはこの巧妙に隠された依存心が存在すると、こちらも理論的にそうなるわけです。
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