親愛なるあなたへ
色んな地域を見てまわって思ったのは、その土地に自信がないのは「これぞ」というものを「知らないから」なのでは、と。
「ない」のではなく、「知らない」。
経験上、人口がどれだけいるとか、どれだけ都市として発展しているのかではなく、そのオリジナリティー、存在意義みたいなものがその人の郷愁に対するアイデンティティーを確立するのであろうと思うのです。
私はつくばというところの出身なのですが、とにかく何もないのですが(最近は発展しているようですが)、それでも私がいわゆる「田舎者」に対して劣等感を持たないのはおそらく日本一の「研究学園都市」であるからだろうと思われるのです。
名だたる研究機関がそろっている。
自分の家系がその道であったことも影響しているのだとは思うのですが、あんなに自然と街が公園その他研究機関で融合された静かで美しい街はないと思っているのですね。
キジが出ようが、イノシシが出ようが、ですよ。
東京や大阪のような遊ぶところがなかろうがですよ。
よく私は「私も田舎出身なので・・・」と地域の話題のときには切り出すのですが、それは都会の人を「よいしょ」するか、田舎にコンプレックスを抱いてると感じた人を「傷つけないように」言ってるだけであって、本人は何とも思っていない「枕詞」のようなものかもしれません。
人がどう思うのかは関係ないと思うのです。
「研究所がいっぱいあって」「公園がいっぱいあって」といわれても興味がなければ、もしくは聞いたこともなければ「はぁ」で終わってしまう会話ももちろんあります。
それでも自信満々でいられるというのは、その望郷に対する着眼点、観光を「知る」ことにあると思うんですね。
by You