京に降る雪。

親愛なるあなたへ

降る雪は科学的にはおそらくどこも同じもののはずなのに。

今回は福知山にて元伊勢巡りを終えた後、「海の京都」へ。

今津と天橋立

2年前の冬と夏の二回、お世話になりました。

今回で三回目。

前回は3月中旬で春の足音が聞こえていたのか雪の姿はありませんでした。

今回はまるで別世界のよう。

京に降る雪。

京に降る雪は美しい。

北海道に住んでいたこともあり、また親類で北陸は金沢にも縁があるため豪雪地帯の雪はある程度見慣れているはずなのに。

もちろん北海道や北陸の雪も美しい。

京の美しさ。

例年にない寒波で金閣寺が雪化粧した絶景を写真におさめるという記事がインターネットでありましたけれども。

京都は縦に長い県で、南部にある京都市とその他の地域は全然違うとは言うけれど、純粋な日本の美しさは地続きで受け継がれている。

天橋立に雪が降る。

砂洲の海岸線に沿って松が伸び、その地面を白い雪が覆っている。

その光景は雪の降る沿岸部ならどこでも見られるはずだけれど、京都という文化の香りを含んだ雪はどこか一味違うようにも思う。

洗練されたというか、気取らない、静かな、それでいてこちらの背筋が伸びるようなそんな光景が広がる。

かつて1000年の都と謳われた京の地は、その中心から遥か離れていたとしても「京丹波・京丹後」という名前にその余韻を残しつつ、日本の美意識を携えたまま四季の変化に役割を任せ、訪れた者をいつでも美しさと共に待っている、そんな素敵な県であると思ったのです。

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