電子媒体と光の広がり方。

親愛なるあなたへ

ITの技術革新で世の中は便利になっています。

が、その副作用については皆様も諸々感じられてることと思います。

その一つを簡単に表現するとこんな感じになるかと思いました。

それが「視野の広さ」。

IT機器は視野を狭める作用があるようです。

例えば紙媒体(本)は集中してもどこか周りを見渡す視野が確保できる模様。

ところが、電子媒体はその世界に完全に引き込む麻薬的な作用がある。

個人的にそれを「光の広がり方」で例えるとピッタリだな、と思ったのが、言うなれば「蛍光灯」と「LED」のような違いです。

どちらもぱっと見は同じ光に見えます。

しかし、蛍光灯の光は「まわり込みやすい」ため全体的に明るくする効果がありますが、LEDは「直線的」な光のため、暗がりのできる部分がある。

LEDの省エネ恩恵等しく、パソコン・スマートフォンなどの電子媒体は膨大なデータを持ち運び可能かつスペースも取らない便利さ一方で、どこか気づかない暗がりができているのではないか。

私はなんだかんだ言って未だ紙媒体を愛用する古い人間なのでありますが、どうもその「言い訳」とは完全に切り捨て難く、相応の感性に一つ正解の部分が存在しているのではないか。

「視野」は日常の3次元的な認識を指すだけでなく、人間関係、自らの人生、そして人としてあるべき姿などあらゆる方向に波及する入り口。

世間の人は普段口に出さないけど、今の日本は大人も子供も含め、どうもおかしくなっている、世知辛い、何なのだろう、というこの原因の一端である可能性が極めて高い。

ITは非常に便利ですからその利用を拡大するのは大いに結構なことです。

しかし、そのことを十分に意識しないと、この先日本はきっともっとおかしくなる。

教育分野に従事する一介の人間として、国や世間全体が便利さや効率化という観点のみで生徒さんや子供さんたちに電子端末を配る動きが加速する中、一つ警鐘をここで鳴らすのであります。

ITが広まる現象自体は過失に終わって、悪意のある誰かに矛先が向けられるものではないから、なんで自分の人生はこうなんだ、日本はこうなんだとその原因自体も非常につかみづらくなっていく。

大げさでなく、「IT端末専門の道徳論・精神論」なるカリキュラムも取り込まなければ。

by You