親愛なるあなたへ
今、自分が住んでいる世界を客観的に見てみることはとても大切です。
僕たちは、「井の中の蛙」という諺をよく使います。
これは、外にも世界がありますからより広い視野を持ちましょう、という内容です。
現実には、自分がしている行動や考え方に対して使われるのが一般的です。
しかし、僕が考えているのは、人間は全員「井の中の蛙」だということです。
もちろん、僕を含めてです。
自分の会社、自分の家庭、そして自分自身。
それらを宇宙の目線から一度考えてみるのも、面白いことです。
自分は47都道府県のどこかにいて、それは日本の中にあって、日本は世界の中にあって、世界は地球という星の中にあります。
ここまでは、グローバル化した現代社会で日常茶飯事に言われることですが、それよりもさらに外の視点から見てみることです。
地球の外には何千という人工衛星の周回軌道があって、その先に月があって、太陽系があって、銀河があって、銀河辺縁系を含む銀河群・銀河団があって、さらに、その先に、我々人類がマッピング可能な、130億光年先の星があります。
もっともっと先には、「クエーサー(準星)」とよばれる、ブラックホール、ホワイトホールに属する空間群があって、さらにその先は、宇宙ができたときに生まれた光が到達する点が存在します。
現在、そこが宇宙の最遠端とされていますが、その先に「無」という空間、いや、すでに空間ですらないかもしれない世界が存在しているようです。
今、僕たちが住んでいるのは3次元の世界ですが、宇宙のもっともっと遠くには、3次元では説明できない世界が存在しているということです。
著書「海底二万マイル」で有名なジュール・ベルヌは、「人間が想像できることは、人間は必ず実現できる」と言っています。
空飛ぶ車の交通整理、懐石料理を1秒で作る、コンピュータが意志を持つ。
全て空想の世界で、無理とされていることばかりですが、人間の一員である僕が想像できることなので、人類が永続すれば、いつかは実現できるでしょう。
しかし、「縦・横・高さ」で成り立っている3次元以外の世界を、僕は想像することができません。
しかし、もっと複雑な次元があって、そこでは時間の流れさえも違うかもしれないのです。
違う次元で、違う時間の流れ方があるのだろうな、とは想像できますが、「懐石料理を1秒で作る」というような、実感を伴った具体性はありません。
ですから、人類は3次元以外の世界を「実感」することはできない、というのが今の僕の見解です。
僕は大学が理系出身で、僕の父親も素粒子の世界を研究するという、ガチガチの理系環境で育ちましたから、理論的に説明できないと人間は納得することができないことは、血がにじむほど分かっています。
しかし、理系の世界も極めると、宇宙論・精神論へとつながっていくのだと気づきました。
このように考えると、自分が悩んでいることは、「井の中の蛙」も大笑いするほどちっぽけなことだということが分かります。
人間の悩みは、辛いです。
しかし、それを広い視点から見てみよう、と考えることです。
宇宙のその先から見てみよう、と考えることです。
そうすれば、悩みが軽くなるだけでなく、その悩み自体もプラスに捉えていけるようになるのです。
by You