「甘えを捨てる」とは、義務ではなく権利です。

親愛なるあなたへ

「甘えを捨てる」とは、いったいどういうことでしょうか。

学生時代、先生や親にも、口すっぱく言われます。

社会に出て世の中の風に当たると、生きていくためにはこういうことが必要なのか、ということがよく見えてきます。

人は、そこで初めて、学生時代に両親や学校からいかに恩恵を受けていたかに気づきます。

普通は、ここで話は終わりです。

社会とは厳しいものだ、だから、甘えを捨てなさい。

この一文で完結してしまうのです。

けれども、「甘えを捨てる」ということの本当の意味は、その先にあるのです。

世の中を生き抜いていくのは、生易しいことではありません。

しかし、甘えを捨てなくても、実は、今の日本では生きていけるのです。

でも、甘えていると、甘えている先から自分が必ず制約を受けます。

制約を受けた心では、人生を楽しむことができません。

甘えを捨てられない人には、必ず「人生はこんなもんだよ」という口癖がつきます。

親に甘え、会社に甘え、そして国に甘えます。

甘えることと、正当な権利を主張することは、全く別の問題です。

甘えているのか、正当な権利を主張しているのか、どちらか分からない場合は、自分の心に聞いてみることです。

人間の心は、自分自身には一番正直なので、必ず答えてくれます。

「甘えを捨てる」とは、心を自由にするということです。

甘えを捨てることは、義務ではなく、権利なのです。

甘えを捨てると、自分の言動、行動、思考の全責任が自分自身に降りかかってきます。

しかし、自分を好きになるための選択であれば、どんな結果であれ、それを全て受け止めた上で、自分をもっともっと大好きになることができます。

甘えているのは、苦しいです。

お金には困らないし生きてはいけますが、心にくすぶるものがあって、自分という存在がよく分からなくなります。

「甘え」を思い切って、エイヤっと放り投げてしまうことです。

そうすると、世の中の風が一気に体に当たりますが、新鮮な空気で、とても気持ちがいいのです。

自分に厳しくなるということは、実は、自分のことを本当に大切にできる人の証なのです。

by You