心のこもった「ありがとうございました」には、お客様がご褒美をくださいます。

親愛なるあなたへ

飲食店でお客様をお送りするとき、「ありがとうございました」の掛け声が店内を響き渡ります。

毎日「ありがとうございました」を何百回も言うと、口だけが「ありがとうございました」の形になってしまいます。

「ありがとうございました」が一つのフレーズのように固定化してしまうと、お客様も一つのフレーズとしての認識しか持ちません。

そこには、心がありません。

自動販売機でジュースを買うときの「ガシャッ」という音と変わらないのです。

心が乗らない「ありがとうございました」は、お客様にとっては「ガシャッ」と同じに聞こえています。

「ありがとうございました」の前には「料理を味わっていただいて」という言葉が省略されています。

何をありがたがっているのかをしっかり意識して、お礼を言うことが大切です。

言葉には、音以外に自分の気持ちを乗せることができます。

気持ちを乗せた音を体でパァンと受けた相手は、「おっ」となります。

単なる雑音は、左の耳から右の耳へすり抜けているので、何とも思いません。

「好きだよ」という言葉に相手がキュンっとくるのは、音ではなく、音に乗った気持ちに反応しているのです。

先日、僕がほとんど人の目に付かない洗い場から「ありがとうございました」という言霊を発信すると、たまたまそこを通りかかったお客様に、会釈のご褒美をいただきました。

音を媒体にして気持ちを伝えると、相手は、必ずその気持ちに反応してくれます。

by You