激動の刻み。

親愛なるあなたへ

知覧特攻平和記念館ではたいへん数多くの絶筆・遺品を拝見してきましたが、どうしてみなあのように達筆なのでしょう。

若干17、8歳が書いたとは思えない達筆ぶりであります。

筆者自身の非常な悪筆性もあいまって、その美しさに思わず見入ってしまうほどでした。

しかしそれらの文字は、「文字の美醜」というものを超えて当時の若者たちに流れる一本筋の通ったもの、それが軍国主義、そしてあのような世の中の情勢を鑑みた結果必然的に生まれる姿勢なのかもしれないのですけれども、平和な我々が忘れてしまった人間としての器のようなものを見たのです。

それらが刻まれている、文字が書いてあるのではなく、「刻まれている」、そのように感じました。

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