親愛なるあなたへ
今の学校教育が「1から100を作り出す練習をしている」というのは(それまでの歴史を含め)幾度か書かせていただきました。
教科書で「基礎」を教わりそれを「応用」しよう、と。
ですから、先月行われた共通テスト含め二次試験に入る昨今、受験問題で扱うのはこの「1から100を作り出す」オンパレード。
一方、そのような問題に対応しながらも、個人的に家では「手作り資料」を来年度用にもうちょっと改良しようと色々やっているのですが、これは「ゼロから1を作る作業」です。
まったく見本がなく、どうやったら分かってくれるかという完全オリジナル。
この二つを並行していてハッと気づいたことがあって、それは、二つとも頭の使い方が全く違うということ。
右脳派と左脳派、感情と理論を使い分ける、そのくらい違うものです。
なのでとても不思議なのですが、演習問題ばかり解いていると、1から100を作り出す練習ばかりしていると「ゼロから1を作り出す」ことができなくなってくる。
アイディアが出なくなってくる。
逆に、資料作りばかりだと、ゼロから1を作り出す練習ばかりしていると「1から100を作り出す」ことができなくなってくる。
質問されても応用が利かなくなるのです。
しばらく期間が空いてるとかそういうのではなくて、これが短期間であっても顕著に現れる。
ですからこれはバランスよくやらなくてはと。
今回の経験で、「ゼロから1を作り出すこと」と「1から100を作り出すこと」は両輪であることを改めて体感しました。
どっちがすごいとかいいとか悪いとか優劣の問題ではなく。
今の日本は軍国主義を抜けた戦後、高度経済成長を含め「1から100」をずっとやってきて今もそれを抜け出せていないから「ゼロから1の思考」が必要とされていますけれども、あくまでバランスの問題、両輪の問題、そしてそれが必要とされる場面の役割分担の問題であると、これが心から納得した一日でありました。
by You