引き継ぎはプロジェクトの一大イベントだ。

親愛なるあなたへ

大きな仕事はプロジェクトで進んでいます。

一人の力でやることは不可能なのです。

会社では異動があります。

ずっと同じ部署に居続けるということは、まずありません。

異動するときには次の人に引き継ぎがあります。

すると、ほとんどの人が引き継ぎに労力をかけないのです。

簡単な身辺整理だと思っているのです。

労力をかけているように見えても実は表面上だけだったりします。

でも、引き継ぎほど大事な業務はありません。

引き継ぎ具合でそのプロジェクトが成功するかどうかが分かります。

僕は大学時代から引き継ぎを軽視する周囲の姿勢をずっと疑問に思ってきました。

研究の世界というのは数年、十数年をかけて成果が出ます。

でも、実験するとほとんどの人がまともな引き継ぎをしないのです。

僕は後輩が困らないように、プロジェクトが成功するように全てのデータを整理して試料を分別して分かりやすいようにコンパクトにまとめてから引き渡しましたが、それを「こんなにまともな引き継ぎをしたのはあなたぐらいだよ」と言われました。

成果を出せ出せと言っている割には、引き継ぎには無関心なのです。

でも僕は当たり前のことをしているのです。

社会に出てからはどうなのだろうと思いましたが、大して変わりませんでした。

引き継ぎがしっかりできないというのはせっかく築いた土台を崩してしまっているのです。

どんなに前任者のスキルが上がっても次の人に土台を残しておかなければまた一からやり直しです。

このやり直しはムダです。

今までやってきたことをキチンと整理するというちょっとした工夫で、次の人がその土台をもとにしてさらに次の人のための土台を作っていくのです。

引き継ぎをしっかりしましょう。

何事も一歩一歩着実に進めていくことが大切なのです。

by You