親愛なるあなたへ
先日読んだ本の中に面白いことが書いてありました。
私達は風邪をひいて病院に行くと抗生物質を処方されることがあると思います。
ところが、この抗生物質が効くのは細菌性の肺炎や気管支炎、扁桃炎に対してなのだそうですね。
風邪には抗生物質が効かない。
なのにお医者さんは抗生物質を処方する。
どういうことかというと、風邪と見られる症状が「細菌性でない」と完全に言い切れないからなのだそうです。
もし抗生物質を処方せずに診断が間違っていた場合、患者さんに訴えらえる可能性がある。
でも、抗生物質を処方しておけば、たとえ風邪であったとしても副作用は腸内の善玉菌がダメージを受けて免疫力が落ちるくらい。
風邪が長引くことはあっても死ぬことはない。
だから保険のために「とりあえず出しとけばいいや」。
ということで、今の日本は世界の抗生物質の7割を消費しているとんでもない国になってしまったということです。
この話をすると多くの人は「ひどい医者がいるもんだ」と思うかもしれませんが、そうではありません。
お医者さんが保険をかけるのは訴える人がいるからですね。
訴えることがなければお医者さんもわざわざ風邪の症状を長引かせるような治療はしないでしょう。
どうも私たちはお医者さんに甘えているようなのです。
自分で病気になったにも関わらず「お前に任せた」「任せたのだから責任をとれ」。
筋は通っていますが、そういうのを「甘えてる」、とおそらく表現するのだと思います。
我々日本人が病気に対してもっと大人に、責任を持てる大人になれるなら世界の抗生物質の7割を消費、なんてことにはならないのでしょう。
by You