時代を超えた感動を、共有しよう。

親愛なるあなたへ

僕は今「アインシュタイン・ロマン(全6巻)」という本を読んでいます。

20年前にNHKで放送された番組を書籍化したものです。

理論が嫌いな人は論調に拒否反応を示してしまうほどアカデミックな本です。

大学時代に学んできたことがリンクして、感動の連続でした。

アインシュタインの人生や相対性理論の真髄など、一般には知られていないことが山のようにありました。

巷で騒がれる「E=mc2」は、相対性理論からこぼれ落ちた副産物に過ぎないのです。

驚いたのは、僕が普段から考えていることがそのまま書かれていたことです。

「科学」とは何か。

「宇宙」とは何か。

「存在する」とは何か。

科学は決して絶対的なものではなく、人類が開け放った知的探求のパンドラの箱だという内容に、胸を打たれました。

人間の意志・精神とのつながり、そして神学と共通する思考回路についての内容を味わえたのも理系の道を歩んできたおかげです。

20年前の本とは、とても思えません。

全く色褪せていないのです。

逆に科学が台頭した今、強いメッセージを放っています。

ものすごい謙虚な本だな、と思いました。

アインシュタイン自身が、それを語っています。

「計算している紙に小さな虫が飛んで来ると私は思うのです。どんなに偉大な発見をしても、しょせんはちっぽけなウスノロに過ぎないのだと」

20世紀最高の数式と言われる「アインシュタイン方程式」さえも、この世の未知に一石を投じたものに他ならないのです。

科学を少し知ると、それを披露したくなります。

カッコいいように感じるからです。

でも、あるレベルを超えると、とたんに謙虚になります。

全ては分からないということが、分かるからです。

謙虚な本との出会いは、時代を超えた感動の共有です。

感動を共有できる謙虚さを、味わおう。

p.s.
本の題名に心惹かれたので、書きます。

「第1巻:黄泉の時空から」

「第2巻:考える+翔ぶ!」

「第3巻:光と闇の迷宮」

「第4巻:悪魔の方程式」

「第5巻:E=mc2 隠された設計図」

「第6巻:エンデの文明砂漠」

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