親愛なるあなたへ
「生活の向上」が一概に「優しさ」かどうかというのは実は非常に難しい。
こういう例はあれなのですけれども、たとえばホームレスの人を助けたい、ということでその人の自立の支援をしたとします。
ところが、復帰するのにものすごい苦痛を伴うことがある。
普通、ホームレスより生活が向上するなら多少の努力はできるじゃないか、変化は受け入れられるじゃないかと思うかもしれませんが、人間は「変化」というのを極端に嫌う生き物。
長い間ホームレスをやった人が普通の生活に戻る努力や勇気、変化の苦痛を受け入れる覚悟というのは、一般の人がお金持ちを目指すのにおそらく非常に似ていると思います。
みなさんも今からお金持ちを目指せるから、今までのもの全てを捨てて変化と苦痛を受け入れなさい、とは簡単にはいかないでしょう。
個人的にやってしまった身としては、変な話ですけれど「これは普通できないわ」と思います。
だからそんな苦痛を伴う変化よりは、今のままの方がいい。
ホームレスでも不幸だと思っていない人もいる。
だから「変えない優しさ」というのも世の中にあるのだなぁと思いました。
変えないでそっと見守り、手助けできるならする、というやり方も一つあるのだと学んだ今日この頃です。
by You